第641話 ■洗濯機
- 2001.11.26
- コラム
最近、熱い家電品と言えば「洗濯機」である。ストーブとか炬燵といったベタな話ではない。何しろ、洗剤がいらない洗濯機の登場で洗剤業界は大慌て、まさに泡を食った状態だ(いかん、ベタになってしまった)。たかだかわずか数機種の洗濯機の登場にしては異様なほどの反応である。相当な危機感を感じているに違いない。
その異様な反応ぶりとは、実際に洗ってみたが、洗剤がないと汚れが落ちていない、というPRである。電解水だか、超音波とやらで、何でもかんでも洗剤なしで汚れが落ちるものとは消費者も思ってはいないだろう。家電メーカーの方も最初っからわきまえて宣伝をしてきたはずなのに。それが過剰なPR戦となって、あまり関心のなかった人までこの洗濯機の存在に気が付いてしまった様だ。まあ、結局のところは家電メーカーも洗剤メーカーも、「落ちた」とか「落ちなかった」といった、口コミによる効果の宣伝を一番気にしていることだろう。
洗剤ゼロモードを謳う、先進的なその家電メーカーのほかも黙って指をくわえて見ているわけではない。乾燥機能付きの全自動洗濯機を出してきた。洗濯から乾燥まで、1kg程度なら約1時間らしい。これまでの様に洗濯機から出して、それを乾燥機に入れたりする手間もない。洗濯槽に入れたまま、そのまま乾いてしまう。「ちゃんと乾くのか?」、「しわはどうなるんだ?」。私もこの点は気になっている。口コミを待つしかない。
その一方で、「電気バケツ」なる、ジューサーミキサーをでかくしたような、持ち運びもできる小型洗濯機も登場している。一人住まいやデリケート洗いの需要を狙ったものだろうが、実際には分け洗いの目的で売れているらしい。親父のパンツはこの電気バケツで分けて洗おうというわけだ。もし開発者自らがそういう仕打ちを受けていたとしたら、この親父の威厳も水の泡だな~。(お後がよろしいようで)
(秀)
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