第683話 ■怪しい通販

 今回は「怪しい通販(広告)」について。「痩せる」は十分怪しい。使用前・使用後の写真がどうも怪しい。指定された方法でうまく痩せる人も中にはいるだろう。しかし、大部分の人はうまくいくはずがない。そもそもダイエットを貫徹できるほどの意志があれば、ダイエットなど必要ない体型を維持できているであろうから。このためほとんどが途中で諦めるはず。例えれば、浪費癖のある人がそれを克服し、おまけに貯金までするような話だ。にもかかわらず、「誰にでも」、「自分でも」と思い込ませるところがすばらしい。もちろん、広告にそんなことは一言も書いてはいない。

 この手の成功者を登場させるパターンの通販は総じて怪しい。「喜びの声」なんて、私に依頼されれば、10や20、ちゃっちゃって書いてみせる。そもそも「喜びの声」の本人自体存在するのかすら怪しい。しかしそれ以上に怪しいのは「開運」系であろう。「お金がたまる財布」。中に仰々しい龍の刺繍が入っている。「恥ずかしくて人前では出せない→無駄遣いが減る」だったら面白い。ちょっとは当たっているかも。この他には、「菩薩様のペンダント」、「幸運を呼ぶペンダント」、「パワーストーン」、etc…etc…。

 「喜びの声」どころではなく、写真なんかも出ている。ベッドで上半身裸、横には綺麗なおネエちゃん、そして手には札束。「このペンダントを買って、仕事では成功するし、急に女性にモテモテでウハウハ」、なんてセンスの欠片もない、死語コピーも踊っている。その写真に出てくる男性はどう見てもモテそうではない。そこがミソなのだ。キムタクみたいな男性が「急にモテモテ」では有難味がない。それに傍にいる女性はキャバクラのおネエちゃんぽいし、多少金を出せばモデルクラブでレンタルできる。あんなページを作ることなど、ダイエットして使用前・使用後の写真を準備するよりはずっと簡単だ。

 いっそのこと、「このペンダントを買って、こんなに格好良くなりました」と、使用前・使用後でブサイクな男がキムタクみたいになった写真を見せるのはどうだろうか?。よく見たら、幸運のペンダントではなく、美容整形の広告だったりして。

(秀)