第728話 ■ピザ

 ピザは旨い。よって偉い。気取って「ピッツア」なんて言う必要はない。宅配ピザでも十分である。いや、飲み屋で出てくるような気取ったピザよりもアルバイトの兄ちゃんがマニュアル通りに作る宅配ピザの方が旨いかも。飲み屋の気取ったピザ(ピッツア)はペラペラで、チーズの量も少なくし、マッシュルームなどのチープな具材ばかりしか載っていない。

 子供たちとピザを取り合いながら、「お父さんが子供の頃にはピザなんか無かったぞー」と話すと、「ほんとう?」と聞き返す。その時代に存在しなかったわけではないが、当時は存在を知らなかった。初めてその存在を知ったのは中学2年のときであった。初めて食ったのは大学に入ってからだったか?。 宅配ピザが登場してからである。悲しいかな、我が家は配達地域より外れていた。そして、もっと悲しいことには私の田舎では宅配ピザの需要が小さく、ほとんど撤退してしまったらしい。

 確かにピザにも弱点がある。例えば会社で昼に食べたくなったとしよう。これがカレーやラーメン、カツ丼なら難なく食することができる。ところがピザとなるとそうはいかない。社員食堂にそんなメニューはないし、そもそも一人で食べきれる量ではないので、同志を募らなければならない。昼休みを見越して、11時ごろに電話して、そして問題は守衛。基本的に期末の納会の時ぐらいしか配達員がビルの中に入って来ることができない。受付、または守衛に呼び出されて、ピザを取りに行くのには抵抗がある。ちょっと値段が高い。やや贅沢品の部類か?。ラーメン屋のように店で(一人でも)すぐに食べられるようなスタイルが普及しないかなー。

 「シェーキーズがあるじゃないか?」と言う人がいるかもしれない。しかし、私の身近にはない。そもそも店舗が少ないし、地方などにいたっては認知度も極めて低いと思われる。そんな方々に解説するとシェーキーズとは首都圏を中心に店舗を構える、食べ放題のピザチェーン店である。但し、豪華なトッピングのピザなど出てこない。

 ピザを取り合いながら、分数の勉強ができる。円周や円の面積も。「ハーフ&ハーフ(1枚のピザに対し、具材が半分ずつ載って2種類のピザになっている)」なんて考え出すセンスも良い。食べながらそんな感覚まで学んで欲しい。子供もピザが大好きだ。

 この原稿はピザをかじりながら書きあがった。

(秀)