第744話 ■環境保護の効果?
環境保護と言って、まず何が思い浮かぶだろうか?。リサイクルや温暖化防止といったキーワードではなかろうか。例えば買い物に買い物かごやビニール袋を持ち歩くことは良いことである。きちんと分別してゴミを出すことも、牛乳パックやミートトレイなどを洗って回収することも立派なことである。しかし、それが地球環境にどれほど優しいのかが実感できず、一部の人たちの自己満足に終わってはいないだろうか?。
きっかけとしては身近なものから始めるのが良いが、その効果たるや、本来大きな問題を矮小化して満足させることにすりかえられているような気がしてならない。環境に優しいことを盛んにPRする会社も多いが、どこまで本気なのか疑わしい。例えば自動車会社。本気ならもっとハイブリッド車や電気自動車の開発に投資をすべきである。にも関わらず、ますますは排気量は大きくなり続けるとともに、次々に(ガソリン車の)新車を投入し、消費を煽るのが彼らの本音と言わざるを得ない。省エネを呼びかけていながらも次々に原子力発電所を作っている電力会社も五十歩百歩。
地球上から次々に森林が消えていく、木材の使用については、日本の場合、もっとも大きな木材の使用用途はコンパネだそうだ。分厚いベニヤ板である。コンパネとはコンクリートパネルの略である。木材が何ゆえはコンクリートパネルかと言うと、コンクリートを流し込むときの型に使用されるからである。住居の柱や床などに使用されるものよりも一時的にコンパネとして使用され、使い捨てされる木材の方が多いらしい。
こんなことはあまり報道されない。もちろん身近なリサイクルなども続けた方が良いが、根本のこれらの問題を解決しなければ環境保護の本格的な効果は期待できない。しかしそれは構造改革どころか、国内の産業構造自体を大きく変えることになる。自動車、建設、家電の各業界は衰退し、それに伴い国内の経済全体が立ち行かなくなる。みんなで地球を汚し続け、いつ登場するかも分からないクリーンエネルギーに期待を寄せて時を過ごすしかないのか?。便利さと引き替えた犠牲はあまりにも大きい。
(秀)
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