第803話 ■恋愛偏差値

 このドラマは4回放送で完結のドラマが1クールに3つ詰め込まれた、いわゆるオムニバス構成のドラマである。中谷美紀、常盤貴子、財前直見、柴咲コウをヒロインに、けど3つのスートリーに対して4人のヒロインとはどういう配置になっているのだろうか?。(3話目が財前と柴咲のダブルヒロインのようだ)

 とりあえず、最初のスートリー「第一章 燃えつきるまでに」ついて触れてみよう。はっきり言って、このドラマはダメドラマの見本である。ストーリーが陳腐で、一部の役者の芝居がダメ。木村多江(結構出ているが、名前を知らない人は多いだろう)演じる真樹子という怜子の大学時代からの友人が出てくるが、この真樹子、怜子にいろいろと意地悪を仕掛けてくる。そのとき、「私は悪い女よ」と、まるで時代劇の悪役がそうであることを見え見えで芝居しているような表情を見せる。彼女の目的は何なのか?。本来この人はこれほど演技が下手な女優ではないはずだが。きっと演出のディレクターが悪いのだろう。

 同様に菊川玲の演じる本田恵美という怜子の部下が登場してくるのだが、これまた演技がベタ。仕事もテキパキとこなし、職場でチヤホヤされているが、仕事をする環境(チームワーク)をぶち壊す、鼻につく、そんな女性だ。いわゆる鈍感な女性。いや、その実、したたか。いろいろと公私にわたり、怜子の邪魔をする。その鈍感さを表現する演技がくさい。かつて、羽賀研二と噂になった際の記者会見での桜庭あつこの姿を思い出させる。菊川玲の場合、これが地なのかどうかは分からないが、この手の演技がストレート過ぎる。そして、演技としてはいつも(例えば、バラエティ番組出演時とも)と同じ調子のまま。見ていてつらい。

 中谷美紀の演技がしっかりしているから、余計にこの二人の演技のダメぶりが目立ってしまう。唯一新鮮なところは岡田准一(@V6)演じるリュージがゲイであることぐらいか。「恋愛偏差値」という仰々しいタイトルの割には、ドラマとしての偏差値は低いと言わざるを得ない。少なくとも最初のストーリーについては。

(秀)