第827話 ■国民的美少女コンテスト

 「国民的美少女コンテスト」とはいかにも大袈裟なタイトルである。そもそも国民的な美少女など存在するはずもない。むしろ、国民的演歌歌手の方が、その存在確率は高いだろう。一方、このタイトルを国民による美少女のコンテストと読むこともできるが、もちろんのこと、そんな選考形態はとっていないし、国民の代表として小林亜星に審査委員長を委嘱したつもりもない。国民的という響きが何か古臭く、ナショナリズムな感じにも思える。じゃあ、選ばれなかった人は、「非国民的」か?、って。

 かくして5年ぶりらしいが、国民的美少女コンテストが復活し、第8回決勝大会が昨日行われた。このことは芸能マスコミを通じ、昨日来報道されている。いろいろとこのイベントをめぐっては私的な疑問が尽きないが、その最たるものは、「主催者が分からない」ということである。報道を見る限り、主催しているであろう、芸能プロダクション等の名前が出てこない。これは「国民的」であることの演出として、伏せているのかもしれない。しかし、例えそれが、「国民的美少女コンテスト実行委員会」であったにしても、その組織の実態はやはり芸能プロダクションやマスコミ、あるいはそれらの集合体に違いない。

 今回のこのイベントに対する応募総数は12万人を超えていたらしい。しかし、私には今回グランプリに選ばれた二人(通常は一人だが)がそれほどの美少女とは思えない。片方は裕木奈江みたいな感じだし(←特に深い意味はないけど)。これから洗練されていくのだろうが、その一方で、歴代のグランプリ受賞者の中で鳴かず飛ばずで去っていった人もいる。まあ、これはこのイベントに限ったことではなく、他のオーディションイベントでも言えるのだが。そこで、リスク回避のための二人グランプリか?。その後の二人の活躍で格差が開いてしまうと何かとやばくないか?。ところで、二十一世紀の裕次郎は大丈夫か?。私が心配してあげた所で、何の影響もないけどね。

 そんな中、このイベントの出身者として米倉涼子と上戸彩がレポーターとして登場していた。二人ともそれぞれの出場回で「審査員特別賞」を受賞したらしい。もちろんこの二人を今回担ぎ出したのは、現在活躍している二人を登場させることでこのイベントの箔付けを行いたいがためのはず。細川直美や小田茜、佐藤藍子といった、歴代のグランプリ受賞者を見せるよりもよっぽど箔が付く。けど私は「審査員特別賞」の二人がグランプリの地位を逆に「その程度のもの」に陥れてしまっているように見えた。特に、米倉と上戸が出場した回のそれぞれのグランプリ受賞者の立つ瀬がない。

(秀)