第956話 ■リアルロボット

 以前、当コラムで「週刊○○」というのを書いた(第773話)が、その出版社の一つ「ディアゴスティーニ」がまたやってくれた。その名は「週刊リアルロボット」。その名の通りロボットをテーマにした週刊刊行物である。このような週刊刊行物のシリーズには真面目に百科事典を分冊したように本(冊子)のクオリティにこだわるものもあるが、その逆でおまけの方がメインで冊子がその申し訳程度の解説書に過ぎないケースが最近多い。このリアルロボットは明らかに後者の方だ。

 買ってみました。子供に頼まれていて会社の帰りに買って帰った。おまけは「サイボット」というロボットの一部パーツである。このサイボットとはタイヤで動く、電子玩具のようないでたちで、そのシャーシと足回りの部分のパーツが今回のおまけだった。毎週パーツが供給され、とりあえず、4週分で動く形になるらしい。そしてその後もセンサーを追加したり、障害物を避けて動くように機能アップするなどして、約半年後にはリコモンで動くようになったり、パソコンで動作をプログラミングできるようになるらしい。

 初回配本分は通常の発売分よりも価格が安く抑えられていて、490円だったが次回からは1,190円になる。う~ん、困った。いったいいつまでこのシリーズは続くんだろうか?。それよりもサイボットが完成するまで、ちゃんと配本は続けられるのだろうか?。売れ行きが悪くて廃刊となるのも困る。しかし現実問題として、しばらくすると書店から姿を消してしまう可能性は高い。かさばるし、バックナンバーをある程度置いておくのは辛かろう。そのためか、熱心に定期購読を勧めている。

 子供はテレビCMでサイボットの完成品が初回のおまけだと思っていたらしい。パッケージにもその写真が大きく載っている。ちょっと騙された感じ。ところでこのサイボット、文章でその様子を表現することが難しいが、どう見ても時代遅れの電子玩具の格好をしている。秋葉原あたりで電子工作キットとして販売されていそうな代物だ。ロボットというにはちょっとおこがましい。先進的なロボット技術が冊子で紹介されているわけでもない。「リアル・ロボット」というタイトルとのギャップが皮肉に思える。

(秀)