第1513話 ■深夜放送のメモ記録

 中学、高校、大学と、家で勉強するときにはラジオが欠かせなかった。特に深夜は。まあ、その影響というわけではないが、今でも好みの番組は録音してまでも、通勤時間などに聞くようになっている。また、今でもコラムの原稿をラジオを聞きながら書くことが多い。

 深夜放送のスタイルは我々が放送を聞いていたときに比べると大きく変わっている。かつてはリスナーが葉書を書いて送ることがメインで、「ハガキ職人」なんて言葉もあった。私も何度か送ったことがあるが、決まって届いたであろう週の放送は寝てしまって聞いていない。おそらくボツだったはず。今も葉書による投稿は残っているだろうが、それ以上に電子メールやインターネットからの投稿、それにFAXというのが主流である。

 だから、生放送の途中にテーマを決めて投稿を募集するケースも多い。パーソナリティーが間違った発言をした場合や何かを探しているようなときにリアルタイムにリスナーから連絡が入り、それを番組で読み上げることも可能なのだ。今のリスナーにはこのスタイルが当たり前のことだろうが、私たちの年代には驚くべき変化と言えよう。

 一方、リスナーの反応はこの範囲にとどまらない。「ミクシィ」の中にあるそのリスナーのコミュニティの掲示板にはラジオ番組の放送に合わせ、リアルタイムの書き込みが次々と行われている。パーソナリティーの面白い発言をなぞってみたり、パーソナリティーの発言に対する同調の意見などが数多く書き込まれている。そんな書き込みをするくらいなら、そのエネルギーを番組に向けてもらって、番組を盛り上げてもらいたいのだが。

 かつて、深夜放送をメモを取りながら聞いていたことがある。通常なら録音してしまえば良いのだが、それでは時間が掛かってしまう。翌日の友達との会話のために、面白かったことを忘れずにメモしていたのだ。特にビートたけしのオールナイトニッポンでやっていた。布団の中で明かりもなくメモを書く。聞いているときは面白くてたまらないが、翌日目が覚めてそのメモを見るとそれほどでもない。だから間もなくこのメモリスニングはやめた。ある日のメモには「ホラッチョ宮崎」という文字が残っていた。

(秀)