第2035話 ■これまでの環境&経験・失言編

 例えば、政治家が失言をしてそれが炎上するケース。従来であれば、支持者だけを集めた内輪だけの会での発言など、外に漏れる感じのものではなかったはず。興が載ってくると多少リップサービスで過激なことを言ってでも場をわかせようとする。少なくともそこにいた人でないと状況を知る機会はなかった。

 20年くらい前まではこのやり方でも大丈夫だった。あるいは、自分が秘書をしていた時代はオヤジ(議員)がこの方法で支持を広めてきた。それが今では、録音されたり動画になったり。ネットの怖さも伝搬力である。ただし、こちらは2週間といった潜伏期間などなく、すぐに火を噴く。ツールもそうだが、基準も大きく変化した。

 落語なども、本来はその会場に限っての話題であれば楽しめる不道徳な発言も、それが外に出てしまった際の影響を考えて次第に毒が抜けていく。私はここ10年くらい、地域落語会のスタッフとして楽屋番を担当していたが、高座での噺を聞くよりも、楽屋での会話の方が面白かったりする。古典落語に比べると、サゲが読めない要素も加えて。

 さて、ラジオの深夜放送。ナインティナインの岡村がラジオでの発言で大炎上の騒ぎである。敢えて発言内容には触れないし、擁護もしない。ただ、彼が昔親しんだ深夜のラジオ放送なんかあんな感じの、これまた不道徳な感じが若者に受けていた。そんな環境で育っていたから、同じような感じで喋ってしまったのか。あるいは、パーソナリティーを相当長い期間やっているが、いくら売れっ子になろうとも、ラジオの深夜の時間帯は、初心に戻った気分で喋っていたのかもしれない。かつてなら、深夜放送での喋りなど広く話題になることもなかった。ネットという拡散するツールへの油断があったか?。加えて今の彼ほどの人気者でなければ、相手にもしてもらえず、これほど話題にはならなかったはず。

 チコちゃんが番組で紹介していた、親父ギャグの原因である「脳の暴走」だったかな?。チコちゃんに叱られたくらいではおさまらない状態まで来ている。

(秀)