上高森遺跡の出土品ねつ造事件に注目。ことの善悪について論じるつもりはない。そんなものはありきたりの他のコラムでも十分であろう。私流に今回の事件を見てみると、各紙が朝刊の一面で報道していたようだが、率直なところ、「それほどの騒ぎか?」と思えてしかたがない。今回のねつ造事件が発覚するまで、上高森遺跡の名を知っていた人がどれほどいただろうか?。70万年前の旧石器が発掘されていた(実はウソだったけど)ことを知っていた人がどれほどいただろうか?。考古学界では確かに大騒ぎかもしれないが、一般人にはほとんど影響がない(はず)。

 原人まんじゅうに原人マラソン大会。原人の里など、村おこしに熱心だった人には不運な話だが、ほとんどの人が知らなかった(であろう)原人の話題でそう簡単に村おこしなどできるはずがない。結局のところ、上高森遺跡を今回の事件の前から知っていた人にはショックな事件だっただろうが、それは村おこしと騒いでいた人と同じ顔ぶれの、ごく限られた範囲の話題でしかなかったと思う。別にこれは原人に限ったことではない。多くの村おこしは当事者には大事かもしれないが、結果は地元だけの盛上りで、ほとんどの人々には全く関係のない話だったりする。

 歴史教科書の書き直しも取り沙汰されているが、70万年前どころか、六百数十年前のことでも学校でウソを教えられていたことがある。歴史の教科書に必ず載っていた、「足利尊氏」と説明の付いていたあの髭面の親爺は実は尊氏ではなく、名も知れぬどこかの侍(と言うものの、格好からしてちょっとは偉そう)でしかなかったことが数年前に明らかになった。ウソを教えられたことは確かに悔しいが、それ以上にあの髭親爺が誰だったのか気になってしょうがない。