第1001話 ■とりあえず

 とりあえず、ここに「秀コラム」執筆復活を宣言する。「とりあえず」、だ。仕事帰りに居酒屋に立ち寄り、生ビールと幾らかのつまみをオーダーして、最後にメニューを閉じながら店員に告げる、「とりあえず」である。

 家人は「あまり休むと今度は書けなくなる」と言う。勘が鈍るとか、楽をしてしまうと元のペースに戻れないということだろう。私自身書くことに何のためらいもないが、一旦書き始めるとペースを維持してそれを続けなくてはならない。そのことのプレッシャーの方が大きい。それは思いつきで執筆を始めたときの比ではない。それゆえの「とりあえず」である。

 いったいいつまで休むのか?、と思っている人も少しぐらいはいることだろう。別にいつまで休むと公表していなかったので、このままもうしばらく休んでも良かった。いっそのこと次の千話書き溜めるまで休もうかとも思った。けどそれは、4年間では済まないだろうし、発表をしない原稿をせっせと書き溜めるほどモチベーションを維持することもできそうにない。

 メールや掲示板の返事も敢えて手をつけず、完全休業とした。テレビを見ながらのうたた寝もちょっとは楽しめた。一方で、連載に穴が開かないように、せめては多少のコラムを書き溜めてから復活しようかとも思ったが、変なところはまめでも、基本的には怠け者であるため、それはできなかった。同様に保存食、非常食の類は我が家にはない。コラムはさておき、とりあえず、非常時の準備はしておいた方が良いだろうが。

(秀)