第1043話 ■ナガサキの日
本当に今日は「長崎原爆の日」だったのか?、という気がして仕方がない。確かに8月9日であるし、インターネットで新聞社のサイトを開けば、長崎で平和祈念式典が行われたことが確かに報じられている。ところがテレビではついに今日この話題を目にすることがなかった。台風のニュースは結構目にしているので、ニュース番組を目にしていないわけではない。
58年という経過年数が半端だったせいもあろう。しかし来年は今年以上に扱いが小さいだろうし、60年目は多少注目されるかもしれないが、その翌年からはきっとまた万人の意識から離れ、それはひょっとすると今年とかの比ではないかもしれない。
アメリカでは日本と戦争したことは教育されているだろうが、原子爆弾を投下したことは教科書に載っているのだろうか?。あいにく私は知らない。日本軍がかつて中国や朝鮮半島でその人々に何をなしたかを我々が正しく教えられていないことからそう推測しただけに過ぎないが。
どうして先の大戦で日本に対して原子爆弾が使用されたのか?。その使用を肯定する側の意見としては「戦争を早く終わらせるため」というのがある。しかし、何故早く終わらせる必要があったのか、それはアメリカがソ連の動きを警戒したためで、戦後統治の駆け引きがあり、そのためには日本に圧倒的な打撃を与える必要があった。そのために原子爆弾の開発を急ぎ、なかばそれは実験でもあった。原爆が投下されていなかったら、日本も朝鮮半島のように分断されていたかもしれない、ということを聞いたことがある。どうだろうか?。
そしてもう一つの加害者について一言。それは当時の日本国政府である。もっと早く戦争を終わらせてくれていたら?。これまた、歴史上の「もし?」は意味がないが。みどりの日を昭和の日に変えようと試みたり、休みを増やそうと、あまり意味のない海の日なんてのを作るくらいなら、平和祈念の日を作ったり、あるいはヒロシマの日、ナガサキの日というのを作って、教育とあわせてこの過ちを風化させないようにする方がずっと大事なはず。
(秀)
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