第1114話 ■女王様につづけ

 ドラマ「プライド」の効果によりクィーンのベストアルバムが3週連続で売上首位に輝いている。女王様おめでとう。改めて聴くと「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」は確かに良い曲だ。過剰とも言えるようなディレイ(遅れて音が追いかけるエコー)効果も雰囲気として有効だ。

 ドラマの最初の回を見て、急にクィーンが聴きたくなったので以前から持っていたベスト版CDを掛けてみたら、あいにくこれには「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」は収録されていなかった。しょうがないのでドラマに関係ないが「ボヘミアン・ラプソディー」を聴いてご機嫌を直す。これがまさにクィーンを代表する曲だと思って疑わない。

 さて冒頭のバカ売れアルバムの方であるが、80万枚の売れ行きらしい。洋盤としてこの数字は相当なものである。やはり私ぐらいの年代の人が懐かしく買い求めているのであろうか?。しかし、件のドラマを見ている層とこのアルバムを買い求める人々の層はちょっとズレているような気がする。

 そもそもこのドラマの出来は全く良くない。どのくらいか?、と聞かれようものなら、「グッド・ラック」ぐらいと答えてやろう。30代後半位のしかも男性が好んで見るような感じのドラマではない。「グッド・ラック」のテーマ曲だった山下達郎の「ライド・オン・タイム」はそれほど驚くようなヒットにはならなかった。よって、今回のアルバムのヒットは単にキムタク効果という一言では片付けられないような気がする。

 最近何かと世の中全体がリバイバルブームである。ドラマでは「砂の器」、「白い巨塔」、「エースをねらえ!」、「奥様は魔女」。音楽では懐かしい曲を集めたオムニバスCDのブーム。いろいろと懐かしい話は大好きであるが、リバイバルはオリジナリティが欠如しているため、手放しでは喜ばないことにしている私である。

 けど世間ではそんなことなどお構いなしでしばらくこれに乗じて、リバイバルブームが続くことだろう。ドラマのテーマ曲もクィーンにつづけとばかりに次のリバイバルスターを仕掛けてくることだろう。自分のCDラックを眺めながら、この中から次のブームが出るかな?、と思いつつ、CDに手を伸ばす。「1984」。文字通り、このアルバムがリリースされて早や20年が経つ。個人的ながら、ヴァン・ヘレンに一票。けどドラマでは使えそうにない曲ばかりなので、これは無理か?。

(秀)