第1120話 ■インフレが来るぞ
デフレ経済もようやく底を打った感で、これから緩やかに回復基調へ転じるかと思いきや、結構そのスピードが速くなりそうな予感がする。ただ、それが実質的な回復なのか、数字の上での形式的なものなのかは注意深く観察しないといけない。
これまで、デフレの克服のためにインフレ目標を掲げて、作為的にデフレから抜け出そうという考えもあったりしたが、実質、不況のままでは空手形になりかねないため、慎重な態度が取られた。しかし、ある程度景気的にも下支えできる兆しが見えてきたし、何よりもこの4月から実施される消費税の内税表示の義務化により、インフレの可能性がでてきた。
「消費税の内税表示の義務化」とは、商品などを買った場合の商品本体の価格と消費税の合計額が分かる形で総額表示するやり方である。これが全般的に実施される。ここで便乗値上げがありはしないかと気を揉んでいる人も多いだろう。まさにこのタイミングがくせものだ。旧来は何かと値上げの多い、4月1日。便乗値上げなのかどうか、分かりにくい。逆に何でも便乗値上げという受け止められ方を嫌って、通常の値上げも自粛する業者が出るかもしれないが。
いずれにせよ、世間一般で何らかの値上げが起こる。それは次第に連鎖し、景気の回復と丁度重なる形でインフレへと発展していく。それに新札の発行も多少インフレに関与するかも。かつての70年代までのようなペースでの規模にはならないだろうし、バブルの再来はもうないだろう。それでもとりあえず、デフレスパイラルは脱する。ご同慶、と果たしてなり得るだろうか?。
(秀)
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