第1154話 ■ビジネス用語の基礎知識
- 2004.07.02
- コラム
ビジネス用語には何かと横文字が多い。特に外資系の会社ではその傾向が強いことだろう。「コミット(メント)」、「オファー」、「アポ(イントメント)」「ネゴ」、「カテゴリー」、「セグメント」、「ターゲット」、「スコープ」、「オフィシャル」、「プレゼン(テーション)」、「コンプライアンス」。なんとなく中身がどうであれ、格好よく聞こえる。こんな言葉、一般生活ではこのまま使わないだろうし、たとえそれは日本語に訳しても同様だろう。
「ネゴ」とは「ネゴシエイト」または「ネゴシエイション」の略で、そもそも通信確立のためのやりとりのこととしてこの言葉を知ったのだが、ビジネス上の用例としては「ネゴる」という変な日本語になる。平たく言うと「根回し、根回しをする」ということだが、本来、英語圏のビジネス慣習で「ネゴ(シエイト)」という言葉を使っているのか、根回しそのものが存在するのかどうかは知らない。横文字ながら随分中身は日本的だ。
「アポ(イントメント)」は「(面会の)約束」という意味で、用例としては「アポを取る」という使い方だが、日本語で「約束を取る」という言い方はしない。敢えて言うと「約束を取り付ける」となるだろう。「取り付ける」と「取る」は微妙に違う気がするが。また、「アポを切る」という使い方をする人もいる。意味は「約束を取り付ける」ことだが「約束を切る」では逆のニュアンスになってしまう。「期限を切る」という言い方がある。同様に「切る」には確定させるというニュアンスがあるようだ。
それと、頭文字による3文字程度の略語も多い。そしてこれが世間一般で使用されている用語ではなく、その会社の中でしか通用しない造語だったりする。それもベタな日本語の頭文字(?)だったり。「会議」と「打ち合わせ」と「ミーティング」。言葉は使い分けているが、明確な区分は誰にも分からない。分からないことや結論が即時出せない場合は「確認します」でとりあえずその場は片付く。電話では相手を知らなくても無条件に「いつもお世話になっております」と言う。
これらが全て違和感なく使えたら、社会人として大丈夫(?!)。続きはまたいずれの機会に。
(秀)
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