第1210話 ■ミニディスクの行く末

 私のミニディスク(MD)歴は8年に至る。コンポ、ウォークマン、カーステレオと早々に揃え、つい最近まで、レンタルしたCDを録音して、それとなく問題なく過ごせてきた。かなりの枚数のMDを所有している。ところが、今のようにMDがメディアとして現在のポジションを維持できるかとなると、疑問が生じてきた。

 新たな対抗馬はメモリオーディオプレーヤーである。メモリと言ってもiPodのようにHDDのものも含む。最近は特に小さくて軽い機種が出てきている。ライターくらいの大きさぐらいの。これらの機種の特徴はフォーマットの違いはあるものの、それぞれの曲がファイルとして存在し、パソコンを介してコピーなどができることだ。パソコンにセットしたCDからこのファイルをごく簡単に生成できる。もちろんデジタルでだ。

 そろそろメモリオーディオプレーヤーでも買おうかといろいろと調べたりしている。機種によっては1,000曲やそれ以上も記録できる。となると、何を録音しようかということになる。まずは手持ちのCDの曲を入れるとして、次にMDのコンテンツもコピーしたくなる。ところがこの手段が問題なのだ。

 MDに録音された音声はデジタルデータである。CDから録音する際に一旦アナログ化されるが、デジタルデータとして収まっている。ところがこのデジタルデータをデジタルデータとして取り出す術がないのだ。CDとパソコンの相性はすこぶる良いが、MDとパソコンの相性はまったく良くない。知る限り、民生用でMDのデータをパソコンに取り出す機器などは存在しない。(コンポは最近出た)

 せっかくのデジタルデータでありながら、アナログなカセットテープやレコードと同様の手段でパソコンに取り込むしかない。もともとの音質が良いために録音レベルさえうまく調整できればそこそこの音質で録音できることは確認した。しかし、時間が掛かるし、本当に面倒な作業である。

 これからはレンタルしたCDはMDにダビングするだけでなく、パソコンにファイルとして取り込んでおくことにしよう。パソコンにファイルとして保管しておけばデジタルデータとしての利用が見込める。オーディオメディア史的に見た場合、MDの隆盛は約10年といったことになるだろう。そろそろ私は見切りをつけることにした。

(秀)