第1236話 ■かりゆし

 今日と明日で仕事で沖縄県那覇市に来ている。当社の営業所に着いてまず最初に着替えを指示された。私のためにわざわざ、かりゆしウェアを用意してくれていて、まずはそれに着替えた。こちらの民族衣装らしく、派手さの抜けたアロハシャツみたいなものだ。着替えた瞬間、東京から引きずってきた引力から解放され、肩の力が一気に抜けた。街で見た男性の多くはこの服を着ている。このかりゆしウェアは5月から10月いっぱいまで来ているそうだ。

 こちらはモノレールがあるものの、それは観光客用ということで、通勤などにはほとんど使用できないと聞いた。このため陸上の公共交通機関はバス。しかし、ほとんどの人は車がないと身動きが取れないらしい。そのため、道路は慢性的に渋滞を抱えているそうだ。これから行く先がどれくらい掛かるところかと聞くと決まって、「普通なら○分」、「混んでいなければ□分」などと答えが返る。じゃあ、混んでいないことがあるのか?、と聞くと「ほとんど混んでいる」ようだ。確かに今日、那覇市から浦添市の十数キロを往復したが確かに混んでいて、最初に聞いていた「普通」の2倍の時間が掛かった。こんな環境のせいか、沖縄の人々は時間にルーズらしい。

 住宅事情は九州の中では高い方で、それは土地が足りないことに起因している。しかし、国道沿いのフェンスの向こうにある米軍用地は広大なスペースを誇っている。この矛盾。通勤事情は会社まで歩きで十数分くらい。これは地方都市としては標準的な数字だと思う。沖縄営業所に勤める人はいずれも他の地からの赴任者で、沖縄の好き嫌いについては意見が分かれた。とりあえず、最初の一年はいろいろと見て回るところがあって楽しかったようだ。

 さて、明日は早めに仕事を切り上げ、国際通りで土産物を買って買える予定。何かまた新しい発見があったら報告したい。

(秀)