第1253話 ■お笑いブームの終焉間近

 昨今のお笑いブームは勢いが相当なくなってきた。そろそろおしまい。早ければこの年末年始を境に明らかな区切りができてくることだろう。最悪の場合、HGが気炎を吐いているだけになるかもしれない。

 今回のお笑いブームの特徴は自分のネタをやり続ける事なく、一旦ブームに乗れば延命できることである。テレビで純粋に彼らのネタが見られる番組は数えるほどしかない。それ以外のお笑いバラエティは多くのお笑い芸人と一緒に番組を賑やかにする存在でしかない。彼らもネタ作りが大変だし、何よりも消耗することを恐れ、制作サイドもこのような形でしか延命が図れないことを知っている。

 そんなバラエティ番組が年末年始にはいくつも流れることだろう。しかも新鮮なネタを披露するでもしなければ、視聴者もさすがにそれには耐えられないはず。飽きられてしまう。そして、春の番組改編期に影響を与えるだろう、というのが私の読みである。

 今年のM−1グランプリはつまんなかった。本来のおもしろい漫才というものをきちんとやっていないせいか、ネタが練れていない。それに勢いがない。また、そもそも制限時間4分という設定が、これからというところでブレーキを掛け、おもしろくなくしているのかもしれない。お笑いブームの凋落を象徴するような有り様だった。

 お笑いブームが終わって困るのは彼ら芸人だけでなく、テレビの制作サイドも同じだ。お笑い番組の空いた時間は果たしてどうなるのだろうか?。興味津々。一方、誰が生き残るかにはあまり興味がない。

(秀)