第1268話 ■県庁の星

 この映画のポイントは織田裕二と柴咲コウの二人が出ていることである。それ以外の見所などほとんどない、これまた久しぶりのお粗末映画だった。

 織田裕二演じるエリート県庁マンが、一大プロジェクトへの参画を掛けて、半年間の民間人事交流の辞令を受ける。その交流先が満点堂という県内にいくつかの店舗網を持つ、スーパーマーケットで、そこでパートで働いている柴咲コウと出会う。この満点堂というネーミングからしてバツである。センスなさ過ぎ。

 普通、映画というものはストーリー展開にはらはらしたり、予想外の展開に驚かされたり、感動したりするもんだ。しかしこの映画にはそんなものが一切ない。伏線も何も。単調に予想通りのストーリー展開が続くだけ。息を呑むようなシーンももちろんない。ついでに言うと、この映画のテーマは何なのか?、作者は何を訴えかけたいのか分からない。テレビなどの予告編で織田裕二が「改革」について一席ぶっているシーンがあるが、結局は上滑りだった。

 東宝・フジテレビと、「踊る~」シリーズと同じ制作である。マスコミの露出などもこれからかなり続くだろうが、騙されてはいけない。でもヒットするんだろうな。

(秀)