第1274話 ■駄菓子屋ゲーム機

 私が小学校に上がる前後の頃の話。私が通っている駄菓子屋に1台のパチンコ台があった。10円を入れると玉が確か7つ出てきた。クラシックな手打ちのチューリップ台である。チューリップに玉が入るとまた玉が7つ出てくる。それと10円を入れてスタートする際にはサービスで全てのチューリップが全部開いた。

 やがて駄菓子屋の店頭には他のゲーム機も登場した。10円玉を入れ、パチンコの要領で弾きながら、10円玉を移動させ、最後にその10円玉をゴールに上手く入れると賞品が出ているゲーム。盤面のデザインから、ドライブで車を移動させているイメージである。弾くのが強すぎたり、弱すぎたりするとアウトになって、その10円玉は機械に没収されてしまう。運良くゴールした際の賞品はプラスチックの札でそれを駄菓子屋に持っていくと20円の金券として使用できた。

 その他には「日米野球ゲーム」、「日米ホッケーゲーム」というのがあって、玉を弾いて日本チームを勝たせれば賞品札が出てくるというものだった。パチンコとピンボールの要素を合わせたような構成だった。メダルで遊ぶ電子ルーレット、自動打ちのパチンコへと次第にゲーム機も電子化していった。いずれも駄菓子屋の店先で立った状態で遊ぶゲームである。

 またある店にはUFOキャッチャーの原型となったクレーンゲームとピンボールマシンがあった。クレーンゲームは上から覗き込むガラスケースのタイプで、つかみ上げるアームは3つの爪を持っていた。大胆にも10円でケースの中のポッキーなどを狙う。

 そんなアナログなゲーム達もテレビゲームの登場により、衰退していく。嗜好と単価の差によるものだろう。駄菓子屋にも所狭しとテレビゲームが並びだす。ブロック崩しに始まり、パックマン、などなど。そして、インベーダーゲームの登場へとつながっていった。

(秀)