第1308話 ■そのまんまの事情

 宮崎県知事選挙でそのまんま東がめでたく当選した。当選後の彼の姿をテレビで見る限り、真剣さは大いに伝わってくる。保守王国でありながら、保守分裂で選挙が行われた影響も大きかろうが、地元民は政党主導や官僚天下りの候補にNOを突きつけた形だ。

 さて、新聞などでは東国原(そのまんま東)知事などと併記する形で報道している。それまでの芸名から本名がこんな珍しい名前であることを知る人は少なかったのではなかろうか。私は知っていたけど。

 それでは彼の芸名が何故、そのまんま東なのか話である。彼はそれ以前は「東(ひがし)」と呼ばれていた。何かにつけて師匠ビートたけしは彼の本名が奇妙であることをラジオ番組などで言っていた。略して東と呼ばれていた。やがてビートたけしの弟子は増え、彼らは、たけし軍団と呼ばれるようになった。そしてその前後だったと思うが、師匠が軍団の芸名を見直すことになった。

 ガナルカナル・タカ、つまみ枝豆、松尾伴内(多羅尾伴内のもじり)などはこのときに付けられたものだ。このとき、「東はどうしょう?」という話になったが面倒だったのか、「そのまんま、『東』で良いんじゃない」とたけしが言ったそうで、それが、「そのまんま東」という芸名になった。これが、そのまんまの事情だ。

(秀)