第1352話 ■デジタルコンテンツ供給の遅れ
本や映画といったコンテンツがネットワークを通じで提供される時代となった。本はその価格の多くが紙代や印刷費、それに物流費や保管費であろう。紙資源削減の意味でも活字コンテンツのデジタル化は今後その方向が強まるように思われる。しかし、私がこれを買い求めて読もうという気にはなれない。まず第一に、読みたいものがすぐにデジタル書籍とならないのである。デジタル書籍で好きな作家の作品一覧を見ると、本で読んでしまった作品ばかりである。そして第二には、本としての費用がないにも関わらず、価格の面でのメリットが弱い。既に文庫本になっているコンテンツが文庫本と同じくらいの値段で売られている。結局、古いコンテンツを安く読みたければ、古本屋にはかなわない。
続いて、動画配信の話。ちらほらとビデオ・オン・デマンドとして映画やドラマなどのコンテンツがネットワークで提供されるようになったが、私はまだこれを利用してみる気になれない。確かにいろいろとメリットはあるが、肝心の見たいコンテンツが存在しない。レンタルショップでずっと貸し出し中のようなコンテンツが欲しいのだ。いくら数を多く揃えても、見たいコンテンツがないのでは意味がない。結局、レンタルショップで新作なんかを借りて楽しんだ方が良い。
以上のように技術的なものが準備でき、いろいろと先行で商売が始まっているが、肝心のコンテンツビジネスの部分が非常に遅れている。技術や先にやったかどうかよりも、魅力的なコンテンツを提供できるものが勝者になるのは間違いない。もうしばらくは様子見といったところだろう。
(秀)
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