第1459話 ■避難訓練
- 2008.03.14
- コラム
関東地方の学校での避難訓練となると地震を想定してのものがほとんどだが、私が生まれ育った九州では地震の心配がほぼないため、専ら火災を想定したものばっかりだった。火元は給食室に家庭科室、技術科室の順で設定される。予定された時間になると、校内放送が流れ、避難訓練の開始である。窓側の人はまず窓を閉める。それから廊下に出て、並んでの脱出となる。上履きのまま外に出る。
この非日常のイベントと授業がないことで子ども達の気持ちは高揚してしまっている。だからざわついてしまう。すると校長が朝礼台の上に立って、避難してくる子ども達を眺めている。一通り、子ども達の避難が済んだが、ざわつきやじゃれあいは、いっこうにおさまらない。何かじれったい雰囲気のまま、校長は黙ったまんまである。
やがて先生達の働きで徐々に静かになったところで、ようやく校長が口を開く。「校長先生は皆さんが静かになるまで、ずっと待っていました。避難開始の放送から○分掛かりました」と嫌味なことを言う。そして、「今日の避難訓練は○点でした」とどういう基準でそうなのか全く分からない採点結果を一方的に告げる。こんな校長は、子ども達から慕われていないと相場が決まっている。
(秀)
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