第1460話 ■非日常とリズム

 ここ半年以上、日曜日の朝は上野鈴本演芸場での早朝寄席に足を運ぶことから始まることになっていたが、昨日の日曜日はその早朝寄席にいかなかった。特にこれといった理由はないのだが、寄席通いの日常をちょっと変えてみようかと思った。何となく義務感が生じてきている感じに、「ちょっと違うかな?」という気がしていた。

 それともう一つの理由は前週の寄席での後半、不覚にも眠ってしまったことにある。知っている演目であったのも原因だろうが、噺を聞きながら眠ってしまうのなら、わざわざ寄席に行く必要がないのかな、という気持ちになっていた。その日、朝はいつものように目が覚め、携帯で仲間に欠席を伝え、そして二度寝。再び起きて、家人の言い付け通り、コインランドリーに洗濯物を持ち込み、乾燥機に掛けて、その日の午前中は終わってしまった。

 ところが寄席が行われている時間中そわそわして、「今日も大勢入っているのかな?」、「今日はどういう順番かな?」、「今頃は○人目だな」、「どんな演目が出たんだろうか?」ということなんかが気になってくる。ちょうど学校を休んだときに「今頃、○時間目だな」とか「今は給食時間か」と思うのと同じ感覚だ。

 結局、この日一日リズムが狂ってしまい、だらだらとした一日になってしまった。それを引きずって、コラムも書かずに寝てしまった。日曜日の朝に寄席に行くことが日常になっていたので、それを変えようとしたまでは良かったが、結局それは土曜日の朝の日常と同じになってしまった。また、寄席通いを始める前の日常に戻ってしまったのと同じだった。

 やはり日常的なリズムというのは大切である。それでいて、非日常とのメリハリが付く。来週からまた寄席通いを復活させようと思う。

(秀)