第1466話 ■漢字の書き取り

 小学校の宿題で漢字の書き取りがよく出された。「漢字1ページ」とか「漢字2ページ」といった感じで。私の記憶が確かならば、4年生のときには1ページ百マスの漢字帳だったと思う。漢字ドリルを元にただ黙々と書く。その頃、百マス1ページで10分くらいの時間を要した。

 当時約40人分の漢字帳を見て、先生は丸をつけていったり、スタンプを押してくれたりする。丸の場合は最高位が花丸。たかがペンで丸を書いて、それにちょっと飾りを付けただけなのに、先生が書くあの花丸には価値があった。何故だろう。スタンプの場合は「たいへんよくできました」、「よくできました」、「がんばりましょう」というのがあった。「たいへん~」の場合は周囲が月桂樹の葉っぱで縁取られていた。そして帰りには漢字帳は戻され、またその日も漢字1ページの宿題が出る。

 これが毎日の宿題として出され、翌日に提出する場合はまだ良かった。これが、夏休みや冬休みといった長期休暇の際に出されるとちょっとやばい。いや、大いにやばい。毎日きちんと書いていけば良いが、長期休暇となると日々色々なイベントがあったり、油断もあって、溜まってしまう。

 夏休みの終わり頃となると、1日に5ページとか、ひどいときには10ページなんて事にもなりかねない。コラムリリースの締め切りが迫っていて、今日の分と明日の分をまとめて書かなければならないときに、あのときの漢字まとめ書きを思い出す。先生もこれだけページがあるとなると、チェックもいい加減ではなかっただろうか?。

(秀)