第1473話 ■最後の雨
先日、テレビでものまね番組をやっているのを夕飯を食べながら見ていた。基本的にお笑いが中心で、それに混じって何人かの上手い人が出てくる。そして、その出演者のものまねが終わった後に音楽は続き、そこにものまねされている本人が出てくる演出もたまに用意されている。
その本人ゲストにその日はなんと中西保志が出てきた。その瞬間、私は箸の動きを止めた。歌は「最後の雨」。中西保志はCDのジャケットで見たきりで、テレビとはいえ、実際に動いている、歌っている中西保志を見たのは初めて見た。彼は歌番組でさえも、テレビには出ない人である。ジャケットで見るよりは普通のおっさんで、その辺の道を歩いていたら気が付かない風貌だった。けど、そんなことは関係ない。あの「最後の雨」を歌う本人の姿を見られるのだから。
はっきりと数えたことはないが、私がカラオケで歌える曲は300曲は下らないと思う。そしてこの「最後の雨」もこの中の貴重な1曲である。最初にこの曲を聞いたのは、カラオケで一緒に来ていた誰かが歌ったもので、曲目と歌手を教えてもらってCDを買い、そして自分のレパートリーに取り入れた。
数年前までは新しい曲も取り入れて歌っていたが最近はそんな時間の余裕がないことと、曲の嗜好が時代とずれてきた感があるため、新たなレパートリーはほとんど増えていない。おそらくこれから先もこんな感じなのだろう。だからこれまでのレパートリーを大切にしていこうと思った。彼のCDを聞きながらこの原稿を書いてそう思うのだった。
(秀)
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