第1496話 ■決めてくれることへの依存

 私は占いや超常現象などは一切信じないことにしている。何故ならこれらには科学的な根拠や因果関係がないからだ。例えば、占い。血液型を例に取るとそもそも血液の中に性格を規定するような因子は含まれていない。星座占いもそうだ。また、血液型や星座でその日の運勢が決まるなんて、全く根拠がない。だから信じられないのだ。

 しかしながら、これらを信じる人々の心理が分からなくもない。要は誰かに決めて欲しいのだ。私も不惑を過ぎて42歳になったが、日々これ迷ってばかりの連続である。立場的にもそろそろ誰かの指示を仰いでばっかりではいられない。自分で決めなくてはならない。こんなとき、科学的な根拠や妥当性など一切気にせず、誰かが決めてくれればどんなに楽かな、と思う。人生は判断の連続である。偉い政治家達も占いに依存しているという話は良く聞く。きっと宗教も同じ線上にあると思う。

 「今日の晩御飯、何にする?」、「何でも良い」。「何でも良い」は決して何でも良いわけではない。「何でも良いけど、それじゃない」なんてこともある。この会話の当事者は両方とも、誰かに決めて欲しいんだ。料理番組の視聴率は作り方を身につけたいということだけでなく、その日の晩御飯のメニューを決めて欲しいという思いにも多少支えられていると思う。

(秀)