第1506話 ■未来テレビ雑記

 最近はリアルタイムにテレビ番組を見ることはなく、ほとんどが録画したもので見ている。そのため、実際にそのドラマが何曜日の何時からやっているのかさえ分からないまま最終回を迎えることもある。また、とりあえず録画しておく。果たして、見るのかどうか分からないものも、とりあえず録画してしまう。以前のようにビデオテープの費用や置き場所を気にすることなく、レコーダーのHDDの中に溜まっていく。コンテンツのタイトルも番組データから入力されているので、以前のようにタイトルシールを貼ったり、目的のビデオテープを探すなどの手間もなくなって、これらは非常に重宝している。

 ただ、録画したものを実際に見るのかどうかはあまりこの便利さと関係なく、むしろ余計なものまで録ってしまい、見ないで消してしまうケースが以前に比べると格段に増えた。また、見るべきか、消さずに残しておくべきかを迷うことも多い。特にHDDの容量の残りが少なくなってきたりとか、コンテンツ一覧の前の方に、決まった古いコンテンツが残っていると迷う。DVDにダビングして保存しておくのも確かに有効な手段の1つではあるが、実際にDVDにしたところで、ますます見ないだけで、DVDの枚数が増えて喜んでいるだけなのかも知れない。

 そして今度は目的のDVDを探すのが大変になってくる。いっそのこと一生モノぐらいの大容量の動画コンテンツホームサーバーなるものが登場し、全てのコンテンツをそこで保管・管理し、各部屋のテレビへと配信できるようになれば嬉しい。音楽データの方は一足先にHDDコンポで実現しているので、動画の方もこの方法での実現は時間の問題だろう。

 以前ソニーがパソコンで、地上波の多数チャンネルの放送を1週間分まるごと全部録画する機種を販売した。その後の話を聞かないので、ほとんど売れなかったと推測されるが、この着眼点を私は大いに評価した。こうなると予約録画なんて概念はなくなり、過去1週間の番組表を表示して、見たいところを選択すれば目的のコンテンツが再生される。ちょっと条件は付くが、まさにビデオ・オンデマンドである。

 ビデオ・オンデマンドが具体化すると、放送の概念なんか大きく変わってしまう。ニュースや情報番組は時系列的に見る必要などなく、データ放送のように見出しを選択して目的のコンテンツを再生すればよい。けどそれはテレビではなく、インターネットに接続されたパソコンの方に近いだろう。

 これらはこれから先、20年くらいのスケールで実現できるかな?。

(秀)