第1507話 ■新橋古本市

 今日は会社の帰りに新橋で途中下車して、古本市に立ち寄った。テレビなどで新橋として紹介され、お父さん達がよくインタービューをされている、あのSL広場に臨時の古本屋の露店が並ぶ。年に2度行われていて、今回は今週月曜から土曜日まで。今回はいつもに比べると規模がやや小さくなっていた。それでもそれぞれの店をくまなく見て回るので、1時間ではきかない。

 行き帰りの電車の窓から、「あっ、やってる!」てな具合に、その日の帰りあたりに立ち寄ることにしている。会社の帰り道に、一度に来てくれて、店々への移動も楽なので、神田の古本屋に行くよりは重宝している。出品されている本のジャンルも非常に多岐にわたっているところも面白い。雑誌、写真集、文庫本、漫画、映画パンフレット、研究書(これがまた諸々ある)。ブックオフなどとは明らかに違う品揃えだ。

 欲しい本が見つかったら、そこから葛藤が始まる。まず自分の買いたい値段を決め、本に付いている中古での本の値段を確認する。もし販売価格が自分の希望価格よりも高い場合は、まず買わない。そっと本を書棚に戻す。逆に思った値段よりも安かった場合は、ちょっと嬉しいがそれだけで買うわけにはいかない。本当に必要な本かを再度考え、懐具合とも相談し、そのほとんどの場合、やはり書棚に戻すことになる。

 また、本当に欲しい本があって、価格の条件が合っても、「よその店に同じ本があって、そっちの方がもし安かったら?」なんて考えてしまうとダメだ。「一通りぐるっと見て、後で買いに来よう」なんて考えも、「売り切れていたらどうする?(どうするも、こうするもなく、諦めるしかないが)」と思ってみたり、そもそも露店の数が多くて、迷わずにその本のところに戻って来れるかも疑わしい。

 まあ、こんな感じでいろいろとやきもきしてしまう古本市だが、その実、楽しんでいる。今日は古い東京の街を撮った写真集と「写楽」、それに漫画をそれぞれ1つずつ買って帰途についた。家に帰って、がっかりとびっくり。「写楽」は既に持っている号だった。

(秀)