第2041話 ■急速な変化に備え

 コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言が39県で解除された。事態が収束に向かって進捗していることの現れで、喜ばしい。東京においても新規の感染者の確認数が、以前に比べるとかなり落ち着いてきていて、行動変容の方針や見通しが正しかったことが証明された。しかし、この数字は約2週間前の結果を見ているだけで、引き続き予断は許されない。連休明けにやや人の動きが活発になっていることが心配。

 さて、これから収束の動きがより鮮明になっていくと、社会全体で急速な変化が生じるようになる。これまでの停滞を一気に回復しようと、急に仕事が忙しくなったり、人手不足、残業続き、ということも大いにあり得る。ただ、全体が均一に同じタイミングでそのような動きを見せるわけではない。

 いずれにおいても優先順位の再設定が行われる。経済優先のために娯楽の部分はしばし置いて行かれて、その復活には時差が生じるだろう。夏休み返上となって、旅行どころではない人が相当現れそうな気がする。飲食業も夜の客を期待しようにも、客は遅くまでの残業のため、完全復活とはすぐにはならないかも。だから、業種においては、事態の回復をそのまま喜んではいられない。じっと我慢の時期がまだ続く可能性すらある。

 急速な変化が一段落ついた時点で、次の変化が待っている。「毎日通勤する(させる)必要があるの?」「東京に住むのが良いの?(地震も怖い)」「ここまで従業員がいるかな?」。『新しい日常』、『新しい生活様式』というのは、政府が提示しているものとは別に、これからどのように生きていきたいか、優先順位の組み換えを行ったり、自ら考え出す必要があると思う。

(秀)