第1538話 ■どうってことない映画

 最近、映画館に足を運んでいないが、録画した映画をgigabeatを使って通勤途中に見ている。だいたい、週に1、2本のペースだ。しかし、「これは!」という作品になかなかめぐり合わない。高い金を払ったからというわけではないが、映画館で見た映画には、かなりの高確率で、そこそこ満足している。このあたりの嗅覚にはちょっとした自信がある。しかし、レンタルDVDやスカパー、WOWOWで見たものに、がっかりのケースが結構多い。

 「どうってことない映画」とは「どうでもいい映画」とは違う。前者は見た結果で、後者は見るかどうかすら分からない。私は映画の場合、一旦見始めたら、途中中断しようとも、必ず最後まで見ることにしている。ただ、結末いかんによっては、むなしい結果となる。私が失望した映画は無名なものではなく、それなりに知られているような邦画である。敢えて名前は挙げないが、「これで日本映画は大丈夫か?」と本気で心配になってくる。

 私は邦画がこのような状況になったのは、「製作委員会」の制度にあると思っている。映画のエンディングに出てくるエンドロールの最後に、その映画のタイトルの製作委員会というのが出てくることがほとんどだ。映画会社が単独で制作費等を工面できないため、系列のテレビ局や出版社と協同で製作を行う。多くの人や会社の利権が絡まって、「船頭多くして~」って状態になっているのではなかろうか?。

 それともう一つの危惧。脚本が良くない。原作がヒットして、それを映画化する例が多いが、ほとんどの場合、遠く原作におよばない。そして、キャスティングと話題性に頼りすぎ。困ったものだ。

(秀)