第1547話 ■追悼 赤塚不二夫先生
先週土曜日に赤塚不二夫氏が亡くなった。私個人のショックの度合いとしては、手塚治虫氏、藤子F不二雄氏の死去時以上に大きい。
やはり「天才バカボン」だろう。それ以前に、「おそ松くん」を見て、イヤミのシェーはやったし、「もーれつ ア太郎」を見て、ニャロメのイラストを何度も書いた私にも、テレビで見た「天才バカボン」のインパクトはすごかった。まだ、「西から昇ったお日さまが~」のどこが変なのかが分からないほど幼少のときだった。ちなみにマンガ雑誌の連載の方はさらに幼くて見ていない。
以前、レンタルビデオ店で最初に放送されたシリーズのタイトルを調べたら、ほとんどの回のストーリーや場面を思い浮かべることができた。バカボンパパがお祭りののど自慢に出場し、優勝する話が特に好きだ(「パパは男のなかの男なのだ」の巻)。ライバルからの妨害を受け、ボコボコされてケガをしてまでも舞台に上がるパパは格好良かった。賞品として電子レンジをもらった。確か、パパが歌った曲は「兄弟仁義」だったと記憶している。
「パパの10万円は夢なのだ」の巻では、植木屋であるパパがある日手入れをしていた木の上で、お札でできた鳥の巣を見つけ持ち帰ってくる。「これでしばらく仕事をしなくて良いのだ」と思っていたが、ママがそれを隠して「夢だった」と信じ込ませる。これはまさに落語の「芝浜」を下敷きにした話だ。この他にも「スキーがなくてもヤッホーなのだ」の巻も面白かった。
数え上げたらきりがないが、思い出すたびに虚しさもこみ上げてきてしまう。いつものように追悼文は上手く書けない。バカボンパパは誰よりも赤塚不二夫氏本人だったということに多くの人は異論あるまい。これまでどうもありがとう。お疲れさまでした。合掌。
(秀)
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