第1608話 ■DVD−RAMの後悔

 我が家で最初のDVDレコーダーを買ったのは5年も前のことだった。こうして日々雑記を残していると、過去の文章を検索することでいつ頃、何があったかをほぼ正確に把握することができて便利だ。ある意味、我が家の記録でもある。

 さて、その当初、録画したコンテンツを保存するためのDVDメディアを選ぶにあたり、何度も書き換えができるDVD−RAMを、しかも四角いカートリッジに収まって、両面使用できるものを積極的に利用した。カートリッジに収まっていることで、傷や埃の心配もなく、取り扱い上での安心感があったからだ。

 そしてしばらくはレコーダーを買い換える度に、この殻(カートリッジ)付き対応のものを選んできたが、ここに来て、従来のこの殻付きRAMに対応した機種がなくなってしまっている。もはや私の殻付きRAMは、このままでは数年後には再生できなくなってしまう。そこで、HDDを仲介して、DVD−RAMからDVD−Rへのメディアのコンバートをちびちび開始している。

 殻付きの有無に関わらず、市場ではどうもDVD−RAMというのが流行っていないようだ。−RWもそれ程ではないようだ。1回しか書き込みができない、−Rのニーズが高い。価格の問題もあるだろうが、ユーザは保存用としてDVDに書き込むわけで、保存用であれば1回の書き込みで十分である。

 書き換えができた方が得という感覚はかつてのでビデオによってもたらされてきたものだろう。ビデオだったら重ね録りが当たり前の世界で、1回しか録画できないビデオテープなどほとんど商品価値がなかったはずだ。DVDレコーダーの場合、従来の録画して消して(重ね録りして)の部分をHDDが担っている。このためDVDは保存用に目的を絞ることができる。

 こうして考えると私がかつて殻付きのRAMを使用していた感覚は長年のビデオ生活からの影響によるものだったと考えられる。しかし、このようなニーズが次第に低下していったことで、メーカーはその対応ドライブの採用を止めたのだろう。ユーザとしても先の見極めが難しいものだった。

(秀)