第1617話 ■やったね、VAIO P

 世の中に「マーケット・イン」という言葉と、「プロダクト・アウト」という言葉がある。前者はマーケットニーズを研究してものづくりをする姿勢を表していて、後者はこれまでにない製品を作ることで、その市場を新たに作り出そうといった姿勢を表している。実際には熱心に市場ニーズの研究も行っているのだろうが、ソニーという会社は圧倒的に後者をポリシーとしている会社のように見える。「こんな製品作ったみたけど、どう??」、ってな感じ。ウォークマンなんてまさにその典型だったと思う。

 さて、市場ではネットブックなどと呼ばれる5万円程度のノートパソコンに注目が集まっている。台湾などのメーカーが先行していたが、ここに来て国産メーカーも東芝、NECの順で参入し、続くメーカーの対応が気になっていた。そんな中、富士通は今回春モデルでの参入を見合わせたが、ソニーが他の春モデルの発表から少し遅れる形で、ミニモバイルパソコンを遂に発表した。モデル名はVAIO タイプP。

 今回のソニーの製品は規格から、正しくはネットブックではない。むしろそれにより独自色を出している。まず画面の解像度が高い(画面が広い)。それでいて、ポケットに入るほどのコンパクトさ。けど、キーボードは入力に十分な大きさがある。そして肝心の重さが600グラム代。通常のモバイルパソコンの半分以下の重さである。価格は約2倍の10万円(メーカーサイトでは8万円から)。

 家で原稿を書くのくらいなら、丁度良いかもしれない。出張の際どころか、毎日持ち歩けそうな感じだ。これは売れそうな気がする。もちろん、私も欲しい。

(秀)