第1625話 ■主体性のないイー・モバイル

 私の欲しい物の多くは、家電量販店に眠っている。このため、家電量販店に足を運ぶ機会が多い。そんな中、携帯電話売り場の一角にイー・モバイルの売り場がある。イー・モバイルは第4の携帯電話会社であるが、携帯電話よりも、モバイルでのパソコンのインターネット接続回線業者としての性格が強い。

 同社の通信業界におけるモバイルでの常時接続料金の引き下げ効果は確かに大きい。しかも、高速だったのは歓迎すべきものだった。ところが今となっては月額の料金は、他に安いところがあるわけではないが、感覚的に高い気がする。「もっと安くなれば」と思いながら、私も数年待っているような気がする。

 さて、このイー・モバイルの戦略であるが、パソコンとのセット販売での値引きである。特にネットブックと言われるミニノートパソコンの一部においては「100円パソコン」などという言葉を生み、これらの普及に多少は貢献していることだろう。せっかく軽量でコンパクトなパソコンであるため、屋外での通信回線とのセット販売は、確かに理にかなっている。

 パソコンとのセット販売による値引きはイー・モバイルに限ったことではなく、他の通信回線業者でも一般化している。しかし、売り場のほとんどに、これらミニパソコンを並べて、100円だとか、9,800円だとかをPRしているのは、あまりにも主体性がなさ過ぎる。いったい、何の売り場か分からない。コバンザメ商法だ。しかも、一見安そうに見えるが、わざわざ損をして他社製品の売り側に貢献するわけではなく、2年間の契約拘束を考えれば、割高なのである。分割の金利以上に高い。

 このようにイー・モバイルは主体性がなく、潔さもない。私がモバイルに本格的にめり込まない理由の一つはこんなところにあった。最初に値引きできるだけの金額があるなら、それを月額料金の値下げに向けて欲しいと私は思っている。商品とサービスで勝負すべし。

(秀)