第1630話 ■芸人ブログ炎上摘発騒ぎで

 今朝の某大手新聞の1面トップ記事に、「タレントブログ炎上で初摘発」という大きな見出しが出ていた。記事を読むと、お笑いタレント(37)のブログに脅迫の書き込みを執拗に行ったうちの18人を名誉毀損で摘発するというもので、その日のうちに続報として、この18人のうちの数人が書類送検された、と伝えていた。

 これでインターネットやブログに関する利用者のモラルが多少でも回復するようだったら、今回の動きを私は歓迎したい。ネットの世界に権力や制約を持ち込むことには反対だが、ネットの特性、例えば匿名性を利用して、脅迫や威力業務妨害を行うような行為に対しては徹底して、取り締まりを強化すべきだと思う。表現の自由ではなく、犯罪なのだから。今回の摘発の目的は明らかに見せしめで、実際に起訴されるかどうかは分からない。実際には穏便な処分で済むのではないかと思っている。しかし、ときには強硬な態度を示さないと同種の犯罪やもっと悪質な殺害予告などの書き込みを防ぐことができない。

 今回摘発を受ける人を含め、非常に軽い気持ちで始めたのだろう。自分の素性を隠して、安心して攻撃を行っていたに違いない。そして、ブログが炎上するのを見て、愉快犯のごとく、喜んでいたかも。まるで、いじめの構図と同じだ。

 一方、被害を受けていた、このお笑いタレントは以前「足立区出身の元不良」というキャッチコピーで売り出していて、以前足立区で起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人だという噂がネットの掲示板に書き込まれるなどしていたらしい。中にはこのことを信じて、正義感からタレントのブログに脅迫めいた書き込みをしていた容疑者もいるらしい。都市伝説の類を真に受けての犯行ということになる。

 さて、このお笑いタレントが誰かだが、ネットで検索したところ、私は知っていたが、非常にマイナーな芸人だった。新聞報道では「テレビで活躍している」と書かれていたが、昨今のお笑いブームでもテレビで見たことはない。報道が具体的に「お笑いタレントの○○さん」と名前を挙げるのではなく、「お笑いタレント」とぼかすのは、その方が、読者の気を引く効果があると判断したのだろう。わざわざそのタレントの説明をするのも大変だしね。

(秀)