第1649話 ■MDで聴く意味

 私が使用しているシステムコンポはソニーのネットジュークというHDD内蔵のコンポである。この機種を選んだのには積極的な理由があり、まず第一はラジオ番組を録音して携帯型の音楽プレーヤーに転送できること。それと、できればHDD内蔵コンポにして、音楽ソースをまとめたいと思っていた。以上の理由により、選択肢はソニーのネットジュークだけとなり、携帯型の音楽プレーヤーはウォークマンと自然に決まった。

 使ってみて初めて分かることもいろいろある。まずこのコンポ、ネットワークに接続して使用することになっている。このため、音楽ソースをHDDにダビングする際に、曲のタイトルやアルバムタイトルをネットワークを通じ検索し、自動的に入力してくれる。この機能には本当に重宝している。

 それと、音楽を聴くたびにCDやMDをセットしたりの手間が必要ない。全てHDDの中にファイルとなって収納されている。よって一旦HDDにダビングしたCDはしまい込んでしまっている。MDについても同様。ただ、HDDから目的の音楽なりを検索する機能は非常にお粗末で、ヘビーユーザーを想定していない。この部分の設計が非常に素人っぽい

 さて、こんな感じでこれまで持っていたMDもHDDにダビングしてしまったら、もういらなくなるかな、と思っていたが、必ずしもそうではなかった。アルバムCDをそのままMDにダビングしたものならそうだが、当時流行っていた曲をオムニバス的に私が録音した「シングル・コレクション」というMDは、その曲をHDDから聴いてもあまり面白くない。曲はHDDにダビングした時点で、歌手別に振り分けられ、元が同じMDであったことの関係性など一切残っていないからだ。

 シングル・コレクションは1枚のMDにいろいろと同じ時期の曲が収まっているところに面白さがある。手書きして貼られたラベルシール、例えば、「97年11月」とか「2000年春」という文字にメッセージがある。よって、シングル・コレクションのMDは今後も私の宝物として、破棄することなく保管されることになった。その枚数約50枚。たまには時代を感じながら、これらを聴いてみる。

(秀)