第1655話 ■用紙削減エコの誤解

 仕事で製紙会社の人と話をすることがあった。「最近はエコブームで紙の消費が悪いように言われているけど、あれは間違ってるんですよ」という話を聞いた。意外である。紙は木材から作っている。植物は二酸化酸素を吸収し、地球温暖化防止に役立っている。この木を伐採するのだから、紙の消費は環境に対して悪であるというのが一般的な理解だ。

 確かにこの説明は正しい。しかし、紙を作るために木を伐採した後には、次の苗木を必ず植えている。木は苗木から成長する過程でもっとも二酸化炭素を吸収するそうだ。一方、成長しきった木はあまり二酸化炭素を吸収することはないのらしい。だから適宜木を伐採し、若い木を育てていくことは、環境にはむしろ良いことだという話だ。

 だったら製紙業界はもっとこの「真実」をPRすべきではなかろうか?。本当は何がエコなのか、私たちはあまりにも知らなさ過ぎる、というか、知らされなさ過ぎるかもしれない。もっと本当のことを教えてほしい。割り箸が環境に悪いというのも、実は誤った知識ではないかという気がしてきてしまう。

 ただ、紙にしろ割り箸にしろ、原料から製品を作る過程では燃料を使用しているのは確かだ。

(秀)