第1724話 ■ウォークマンとムーアの法則

 改めてメモリ型のミュージックプレーヤーは素晴らしい。「ソニータイマー」なる厄介な法則(?)によって、かつてのウォークマンは使用から1年を過ぎたあたりから途端に駆動系の不具合が出てきて、ちょうどその頃に次の新製品が登場しているという感じだった。一方、メモリ型だと駆動部分がないため、そうそう壊れることがない。衝撃にも強く、ちょっとやそっと落としたくらいではこれまた壊れない。おまけにコンパクトだし、カセットテープやMDといった記録媒体を持ち歩かなくて良いのも嬉しい。

 そんな私のウォークマン。記録容量の限界が近づいてきた。これまでも何度か同じ状況になってはデータを削除してしのいできたが、1つ入れる度に1つ消すというオペレーションが結構面倒くさくなってきた。この中には買った当初には想定していなかった、落語が大量に含まれている。買った当時は最大容量の8ギガバイトだったが、今となってはウォークマンの最大容量は8倍の64ギガバイトにまでなっていた。

 そろそろ新しいものに買い替えようかと思い、過去のコラムで購入時期を調べたところ、間もなく3年といったところだった。そう言えば、インテルの創業者の一人であるムーア博士が唱えた「ムーアの法則」が思い浮かんだ。「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則だ。ところがウォークマンの場合、36ヶ月で容量8倍だから、12ヶ月での倍増のペースとなり、ムーアの法則を上回るハイペースだった。

 壊れないのはありがたいが、スペックアップの買い替えとしてはそろそろ妥当な頃だろう。64ギガバイトあって壊れないとなると、これはもう一生モノになるかもしれない。だったら少々高くっても、てか?。

(秀)