第1764話 ■へのこ

 先日の某師匠の落語会でのこと。私が言うのもおこがましいが、この日の師匠のマクラはとても冴えていた。実に15分にもおよぶマクラ。先日の、医者が看護婦を妊娠させ、ビタミン剤と偽って薬を渡し、中絶させ、不同意堕胎の罪で逮捕された事件について、「逮捕されて、今頃になって否認(避妊)している」とかなりブラックなユーモアを披露。自分の娘も看護師であるため、心配でしょうがないとも話していた。

 続いて、普天間基地の辺野古周辺への移転に反対する、社民党の福島党首についての話題。そもそも「へのこ」とは男性性器の俗称であり、地形がその形に似ているから、辺野古という地名になったという前置きがあり、「たぶん福島さんはこのことを知らないんでしょうな。へのこ、へのこと連発してましたから」と。「へのこはみんなのへのこです」、「へのこは固く固く守っていきます」という彼女のまねのシーンでは大爆笑になった。

 「嘘だと思うなら、辞書で調べてごらんなさい。ちゃんと載ってますから」と言われたので、「へのこ」を家に帰ってググってみたら、「へのこ祭り」なんて項目も表示された。男性性器を型どった御神体というのがあって、神輿にもそのシンボルが乗っていて、街を練り歩くようだ。おまけに巫女さん達が大きな木彫りの男根状のものを持って行進している写真もそのサイトには載っていた。別名「チンコ祭り」とも言うらしい。

 さて、この日のこのマクラに続く師匠の演目は「しびん」だった。まあ、滅多に寄席でも掛からない、希少な根多だった。

(秀)