第1768話 ■自炊投資への悩み
iPadを手に入れて、日々楽しく遊んでいる。通勤途中に立ったままでも使えるように、ストラップ付きのキャリングケースも買った。また、自宅ではノートパソコンを使う機会がめっきり減った。Webを見る限りでは、起動も早いし快適である。ただ、原稿を書くとなるとやはりメカニカルなキーボードがないといけない。iPad用のオプションにキーボードがあるが、そこまではまだいい。
用途のメインは50%がWebブラウジング、30%が原稿の校正(このくらいであれば画面に表示されるソフトウェアキーボードでも可)、そして残りが他のアプリと電子書籍による読書で、それぞれ10%ずつとなる。当初の目論見より電子書籍の比率が少ないのは、他にもいろいろと面白いアプリやコンテンツがある一方、電子書籍のコンテンツがそもそも不足している。著作権フリーだからと「青空文庫」を読む気にはなれない。
電子書籍だからと無理して読みたくないものを読むのは時間の無駄だ。むしろ、既所有で読めずに積んだままの本を片づけるのが先決である。置き場所にも困っているし、電子ファイル化してしまえば、容量が許す限り、持ち運んでも重くもなんともない。
同じような考えの人は増えているようで、蔵書を預かって電子ファイル化する業者もいれば、自前でスキャンする人もいる。自前でこれらの作業を行うことを「自炊」と言っている。自炊を行うにはスキャナーはもちろんのこと、うまく背見出し部分をカットするために断裁機もあった方が良い。合計すると、7万円強の出費が必要となる。思ったより金が掛かる。
ここで悩む。自炊にすべきか、業者に頼むべきか、と。業者に頼めば1冊100円くらいで作業してくれる。まあ、これに実際に本を送るための送料が必要となる。ざっと、600冊くらいまでは業者に任せた方が安いことになる。作業のための時間も手間も掛からない。ただ、結構混雑して待たされるようだ。また、手元で自分で作業した方が、欲しいときにすぐに電子化できるし、これから先、本を買う度に1冊ずつ業者に送るような手間も掛からない。業者に頼むとすると、それぞれに費用が掛かるわけだから、電子化してまで読むべき本かどうかを判断する手間も発生する。
いずれにせよ、蔵書を電子化し、元の書籍を捨てる(既に背見出しをカットして分解されているから)ことで、省スペース化の効果は大きい。ただ、蔵書が電子化できたことと、それを実際に読むかは別問題。電子化できただけで満足してしまいそうな気もする。これまた悩ましい。
(秀)
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