第1817話 ■家族ドラマ考

 もっとテレビドラマで結婚や出産をハッピーにとらえた番組をやるべきだと思う。嘘でも良いし、リアル感が希薄でも構わない。不倫とかそういうのもやめて、もっと家族の繋がりを喜びあえるようなものが欲しい。働いて婚期を逃す女性ばかりではなく、幸せな家庭人を描くべき。週末にサザエさんの視聴率が良いのは、そこにかつての家族像を見出し、そのスタイルや時代を肯定している人が多いというわけだ。

 ドラマが日本の少子化や晩婚化に少なからず影響している様な気がする。仕事ばかりではなく、もっと家庭を大事にする父親も必要。殺しドラマやその背景となっている恋愛事情も社会的にはマイナスだと思う。一面的だと批判されても良い。家族が愛に満ち溢れ、新たな生命の誕生を称えるようなドラマがあれば、そこに安らぎを求めて、そのような家族でありたいと願う人が少しでも増えるとしたら、世の人々の他人に対する殺伐とした感情も和らぐし、若い人々が新たな家族を持って、子どもを持つようになって貰いたい。

 人がいつ結婚するとかしないとか、子どもを作る、産む、作らない、産まない、というのも当事者の自由であり、そこまで立ち入ろうというつもりはさらさらない。ただ、ここ二、三十年のテレビドラマの内容を振り返ってみて、その結果としての晩婚化や少子化に少なからず、影響があったのでは、と思える。

 ドラマで大切なのは視聴率だから、視聴者が大事かというとそれは違っていて、視聴率が大事なのは、スポンサーに向けての評価として重要視されているに過ぎない。そしてドラマはスポンサーからの期待に応えて、物欲を煽る必要がある。良い服を着て、良いバッグを持って、そしてそのために一生懸命働く出演者。そんな姿を刷り込まれて成長していく、主に都会に住む人々の存在。

 家族ものだからと言って「渡鬼」はちょっと違う。もっとハッピーで、見ていても楽しくなるような展開でないといけない。そんな昭和な雰囲気のドラマの復活を待ち望んでいる。

(秀)