第1818話 ■ブックカバーと几帳面さ

 私はとても几帳面である。しかし、全ての面においてそうと言う訳ではなく、部屋を片づけることはほとんどできない。けど、本棚に本が天地逆の状態で刺さっているのは許せない。本屋のそれであろうと、授業参観に行った際の学級文庫のそれであろうと、すぐに手が伸びて直してしまう。ついでに本屋の書棚で同じ本がやや離れた位置に納められているのを見るのも嫌だ。けど、これはキリがないので放っておく。

 もっと気になるのは、本屋で付けてくれる本のカバーである。だいたいカバーのサイズがでかい。手に取る度に本がずれてしまうし、余ったところが妙な形で折れてしまったりと、これまた気持ちが悪いし、何よりも読みにくい。私は本を買って持ち帰ったら、必ずカバーの折り位置をジャストフィットサイズに折り直し、角々にもきちんと折り目を付ける。

 あんな中途半端なカバーを付けて渡して、店員自身、気持ち悪いと思ったりしないのだろうか?。私が書店員だったら、レジで客を待たせてしまい、ほとんどの客には不評だろう。けど、中にはその几帳面さを評価してくれて、「次からもこの店で買おう」と思ってくれる客もいるかもしれない。少なくとも、私はそうかな、と思いながら、自分自身が待たされることが大嫌いなイラチであることを思い出した。

(秀)