第22話 ■スカイライン
- 1999.05.13
- コラム
スカイラインは独特の雰囲気を持った車である。
そもそもこの車はプリンス自動車という会社が作っていた。それが、昭和41年に日産に吸収合併され、それ以降、日産スカイラインとなったのである。販売会社の日産プリンスはその名残だ。ここで売られているグロリアも同じくプリンス自動車出身で、今はセドリックの双子車に甘んじているが、かつてはセドリックよりも味のあるオリジナルの高級車であった。スカイラインはこのような故郷を持つ車であるが、そのような話を知らない人は多い、それもその筈、人々がスカイラインと思いつくのは「箱スカ」すなわち3代目からのことで、それはまさしく日産スカイラインの歴史である。それまでのプリンススカイラインはスポーツカーというよりも高級小型車といった感じの車だった。
こんなスカイラインが持つ、独特の雰囲気とは、実車とは別にイメージ化された「スカイライン」というブランドが多くの人に浸透していることである。しかし、これはスカイラインに限られたことではない。ただ、実にいろいろの神話というものが存在し、またそれが似合う車はこれだけであろう。
スカイラインが好きな人は車選びにおいて排他的な傾向が強い。それはブランドとしてイメージ化された「スカイライン」の存在によることが大きい。具体的な善し悪しを比較することなど必要なく「スカイライン」が好きなのだ。ある意味、子供っぽい。モデルチェンジのたびにスカイラインを乗り継ぐ人も結構多いことだろう。中には年配の人もいる。ずっと、スカイライン愛好者か。しかし、昔買いたかったけど当時は買えず、今になって夢が叶ったという人もスカイラインにはありそうな話だ。
かく言う私も初めて買った車はスカイラインだった。あまりにも安い中古車であったため、トラブルも多く、マイナスイメージにより、その呪縛からは抜け出た様な気がしたが、やはりモデルチェンジのたびに気になってしまう。「いつかまた乗りたい」と思う、キャリアのようだ。ただいま潜伏中。がんばれ日産!
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