第229話 ■DAISUKI

 日本テレビの「DAISUKI」が3月25日の放送を最後に終了した。放送開始は’91年の4月からで、放送回数は実に421回にのぼる、まさに長寿番組であった。山下達郎の歌声(あの曲はシュガーベイブの「Show」という曲である)で始まる、オープニングに何となく目が行って、そのまま見入ってしまう形で1時間が過ぎてしまうことがしばしばあった。何ともお気楽な番組である。金が掛からないと言うか、知恵を絞っていたりとか、入念な準備が行われるという雰囲気が全くなく、しかし、その雰囲気が支持され、これまでの長寿番組に成り得たのであろう。最近はネタに困ったら、パチンコや地酒に逃げるという傾向が顕著であったが、次週からこの番組がないとなると、やはり寂しい。

 高視聴率にも関わらず、番組が終了する原因は、松本明子の妊娠と言われている。視聴率も良いため、その間、彼女だけ休んで放送を続ける、という選択肢もあっただろう。しかし、放送も開始から9年。ここ数年間に3人ともに結婚した。このことは視聴者も同じく年を取ったことを意味し、視聴者の関心やライフスタイルも変化していることに他ならない。出演者も視聴者も当初の番組スタイルからずれてしまったからには、番組のスタイルを変えるか出演者を変えることになるだろうが、この番組はあの3人組のキャラクターで成り立っているため、スタイルも出演者も変えるわけにはいかず、番組の終了という結末に至ったと思う。

 最終回の放送は以前お世話になった商店街で買い出しをし、幼稚園での感謝パーティーというかなり地味な内容であった。「総集編か?」との期待もあったが、それは同日の夕刻、「TVおじゃマンボウ」で放送されていた。ゲストを交えた形での総集編というのをじっくり是非やってもらいたい気がする。番組は終わってしまったが、あのお気楽な感じはこれからも見習っていきたい。