第252話 ■メーカー保証
- 2000.04.27
- コラム
披露宴の友人代表のスピーチとなると、会社によって特徴があるようだ。特に女性の場合は。スチュワーデスの場合は同僚が機内放送を模し、「愛のフライト」というスピーチをやるらしい(出たことないけど)。あとは「保証書」シリーズというのが良くあるようだ。我が社の場合は「愛妻号」というタイトルらしい。かつてそんな名前の洗濯機があったが、うちの会社は別に何の関係もない。
先ずはスペックの紹介である。外形の寸法と機能が紹介される。炊事、洗濯、掃除、etc…。そして、彼女の機嫌が悪いときにはキスをしてあげれば直るといった使用上の注意の後に、「さあ、ここで練習してみましょう」という具合に話が進む。最後に新婦の品質を保証する旨の言葉が加わり、「保証書」が新郎に手渡される。新郎も笑顔で受け取ってはみるものの、その後その紙をどうするのだろうか?。私としては保証書と言うからには、保証者(新婦の友人)の電話番号でも書いておいてもらいたい。壊れたら、電話するから。
今、我が家に家人の母親が来ている。妻が椎間板ヘルニアを患い、医者に安静を宣告されたために、義母がその世話と家事をやってくれている。私は家事が苦手だ。料理をするにも後片付けが大変なので妻にとめられている。洗濯は干すのが面倒なので、洗濯はうちでやってもコインランドリーで乾燥機に入れてしまう。そして、タンスに戻そうにもどこに何がしまわれているか良く分かっていない。
義母もそう易々と来られるほどのところに住んでいるわけでなく、仕事を休んで飛行機で駆けつけてくれている。製造から30数年、納品(結婚)から10数年経つが、このメーカー保証(この場合は「補償」という字が良いかもしれない)はありがたい限りだ。
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