第346話 ■オリンピック始まる

 いよいよ、シドニーオリンピックが始まった。私はそれほど期待してこの開催を待っていたわけではないが、開幕直後からの日本人選手の快進撃に引き込まれる形でテレビを見ている。ヤワラちゃんも金メダルを取ったし、野村選手(男子柔道)も連覇を果たし、サッカー予選リーグも2連勝。まずは御同慶の至りである。当初はこれでサッカーは決勝トーナメントへの出場となる予定であったが、予想外にブラジルが南アメリカに負けたため、現時点ではリーグ内トップの成績でありながらも次回ブラジル戦で引き分け以上でなければ、日本チームのトーナメント進出も危なくなってしまった。ブラジルがいじわるでわざと負けたのではと勘繰ってしまう。

 全世界的にこの時期は生産性が大きく落ちる事だろう。今回は時差をあまり気にすることがないため、徹夜してまで競技の生中継を見る事はないが、昼間に結果や状況が気になってしまう事が多くなりそうだ。会社の人事担当者やシステム管理の担当者は、多くの社員が仕事をさぼってインターネットでオリンピック情報を見てるんじゃないかと、それでネットワークトラフィックがパンクしないか気になる事だろう。外食関係(特に飲み屋さん)ではしばらく、閑古鳥が鳴くかもしれない。

 と、ここまで書いておいてなんだが、本当はオリンピックネタを書くのには多少ためらいがあった。オリンピックがネタでは、選手の活躍を誉めたり、一緒に喜んだりと、あまりにもひねりのない話に終わりそうだが、きっとそんなコラムを読者諸氏も望んではいないだろう。かと言って、揚足を取って、読者の気持ちに冷や水を浴びせるような度胸も持ち合わせていないから(開会式のあり方には疑問があるが)。せめてはワイドショーの下世話なネタがしばらくは一掃される事を願いたい。しかし、ここで一つの危惧がある。オリンピックが終わった途端に帰国したメダリストを相手に、あのゴージャス姉妹がワイドショーで絡む企画を考えていたりしないか、と。あまりにもベタなんで、これだけはやめてくれ。