第348話 ■今期ドラマ総括

 以前にも書いたが、今クールのドラマは全体的に小粒で、余談を許さないストーリー展開というものにはついにお目にかかれなかった。もちろん、全てのドラマを見ているわけではないが、周りからも白熱したドラマ談義は聞えて来なかったので、おおむねこの結論は外れていないだろう。

 今回は局毎にストーリー展開に特徴が見られた。まず、TBSの「Summer Snow」と「Friends」はともに最終回で主人公が死ぬという結果となり、2時間連続でこの2本を見るのは予想はしていたものの、かなりディープであった。TBSは他局に比べて登場人物の死を描く事の多い局だと思う(刑事ものやサスペンスものを除く)。「Summer Snow」においてはドラマチックな気もするが、交通事故で殺してしまうやり方は、結末に困ったVシネマのようでやはりいただけない。一方、フジテレビの「バスストップ」、「花村大介」、「合言葉は勇気」はともに、一見勝てそうにないような強大な敵にぶつかって行き、最終的には勝利するハッピーエンドのパターンであった。予定調和の展開というのはさすがに寂しいが、「花村大介」と「合言葉は勇気」は途中途中の展開は面白かった。

 それと、今クールのドラマにかつての名作ドラマの影が見られた。「バスストップ」には「101回目のプロポーズ」、「Friends」には「男女7人夏(秋)物語」。そして、「20歳の結婚」には「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」といった、一連のTBSのホームドラマが下敷きとなっていたような気がした。

 さて、今はまさにオリンピック期間中のため、秋ドラマに関する情報もなかなか伝わって来ない(意識がそちらにいかない)が、プロ野球の中継も終わって、じっくり腰を据えて面白いドラマを見たいものだ。