第409話 ■隣に棲む恐怖

 先週の週末にその事件は起きた。テレビから流れてきたその報道内容はかなりショッキングなものだった。「東京葛飾区の歯科医宅に強盗」とテロップが流れるそのニュースのあらましは、ざっとこうである。東京葛飾区柴又の歯科医宅に強盗が入った。犯人は5、6人のアジア系外国人のもよう。歯科医宅に保管されていたライフル銃と銃弾が盗まれた。犯人は逃走中(本校執筆時点でも逮捕されていない)。金銭被害があったのかどうなのかは前述の内容のインパクトが大きく、私の記憶にとどまっていない。

 葛飾柴又は私の自宅から江戸川を越えてすぐのところである。電車で一駅、自転車でも行ける距離である。それにライフル銃と銃弾が8丁、500発盗まれたと知って驚きとともに、疑問が生じた。被害者の方には気の毒な話だが、たとえ金持ちといっても、これほどの数の銃や銃弾を保有し、自宅に保管している必要があるのだろうか?。盗まれたのが全てではなく、自宅に保管していたライフル銃は18丁、銃弾は1,500発と言うではないか。鍵が掛かるところに保管されていても、今回のように盗まれるわけで、これだけの銃や銃弾の所有を認めた警察も尋常な判断をしていたとは到底思えない。

 射撃というのは確かに競技やスポーツかもしれないが、もともとは狩猟の道具であるし、人を殺傷できる凶器である。(今回は歯科医だが、)患者の生命を預かる医者がオフの時間に銃をぶっ放しているかと思うと、こんな医者には掛かりたくない。歯医者&外科医は特にサディスティックな人種のような気がする。