第539話 ■○○家
- 2001.07.02
- コラム
姓名判断は信じないが、苗字や名前の文字あるいは(呼んでみたときの)音での損得というものはあると思う。選挙に出る人は出来るだけ単純な名前が有利だろう。しかし、ビジネスとなると、簡単なありがちな名前はかえって覚えてもらえなくなる(すぐ忘れられる)可能性も大きい。インパクトが重要である。また、ニックネームやいじめの出発点にもなったりする。
「秀コラム」の「秀」は私の苗字に由来している。先祖はお侍さんだったらしい。しかし、「足軽」の図を中学校の歴史教科書で初めて見た時はちょっとショックだった。これでは将棋の「歩兵」だ。それでも、まあ、この苗字で得していることは結構多いと思っている。
結婚式や葬式となると、「○○家」という文字を目にする。「家と家が結婚するわけじゃない」と、最近は個人名を掲げた結婚式(披露宴)もだいぶ増えた。それでも一部には、「先祖代々の…」と言い出す親戚もいるだろう。しかし、先祖代々と言っても国民の多くが○○家のような苗字を持ち出したのは明治の「四民平等」のタイミングでしかない。それまでは武士や公家のような人々しか苗字を持っていなかった。先祖代々とは、ちゃんちゃらおかしく、せいぜい5、6代、わずか130年の歴史でしかない。
吉野さんの場合は大変だ。案内に従って行くと前方にオレンジ色の大きな看板。「いらっしゃいませ」。そこは牛丼屋だった。吉野家(よしのや)。
(秀)
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